甘い関係





「チョコレートかー嫌いやあらへんよ」



当たり前のようにここ副隊長質でくつろぐギン。乱菊はお茶菓子にと現世から取り寄せたマカダミアチョコを出してあげた。


「あんたねー隊長がよその副隊長の部屋に入り浸っていいと思ってんの?」

「まあええやん、霊圧消しとるから誰も気ぃつけへんて」


余裕顔でチョコを食べる。


「お、意外とうまいやん!」

「でしょ!?あたしこれ大好きなの♪」


ギンがピタッと食べるのをやめる。


「なんや大好きなんて簡単に言うたらあかんよ」


いきなりキスされた。


「な…」

「甘かったやろ?」


得意げに耳元で囁かれて飛び上がる。


「もうちょっと深くできたら口移しできるで」

「け、結構ですっ」

「遠慮しなんなやーボクとチョコどっち取るん?」

「何その対比…」


がしっと肩を掴まれた。
相変わらずの笑顔がそこにあった。


「そういやはっきり聞いたことないで、ボクのこと好きか?」

「当たり前でしょう!?好きに決まってるし何度も言わされたわよ!」

「大好きか?」


大きく頷く。


「襲ってええ?」

「だめ」

「ちょっとだけ」

「だめ!」


拗ねる男。第一ちょっとだけって何!?
乱菊は肩を束縛する手を掴む。


「あとであんたの隊長室に行くから…」


ぱあっと表情が明るくなる。


「ホンマ!?やったー乱菊の好きなチョコレート用意したるわ!」

「マカダミア?」

「それが好きなんやろ?任せとき」


隊長の権限をフルに使う気だ。
乱菊はため息をついたが同時にそんなギンが可愛くも思えた。


「戦闘になれば男っぽいしめちゃくちゃ強いのにねえ…」


その呟きが本人に届くことはなかった。







あとがき


結構深い仲の二人です。
ギンは手が早そうなんで(笑)
コミックの遠い昔の「ご免な…」が忘れられない!
なんかギンは乱菊絡みで死にそうな悲恋の予感が。
頼むから死なせないで久保先生……