夏だ!海だ!
夏真っ盛り。
というわけで一年生は一泊二日で海に来ていた。
もちろん遊びではなくあくまで授業の一環として。
くの一教室も来ており、保険医助手のも同行することに土井半助は内心狂喜乱舞し、
しんべェはおしげちゃんも一緒ということで幸せいっぱいだった。
「みんな、あまり遠くに行くんじゃないぞー」
土井も海パンだが首に下げた笛が教師の証として光っている。
山田は年齢的にアウトだと学園長に言われ家に帰っているが、
美人妻にぞっこんらしいからそれはそれで幸せなのだろう。
「土井先生、お疲れ様です」
傘の下でジュースを飲んでいたは戻ってきた土井に缶ジュースを手渡した。
水着姿だったが長いカーディガン(白)を着ていたので、普通に前に座ることができた。
「くんは泳がないのかい?」
「んー泳ぎたいですけど、私の仕事はあくまで保険医なんでここで待機中なんです」
「せっかくだしちょっとくらいなら、私も一緒に泳いであげるから。留守番いいですかシナ先生」
「ええ、いいですよ。怪我人が出たときは呼びますから楽しんできてね」
にこやかに引き受けるくの一教室の担任、山本シナ。
つねにおばあさんに変身しているが本人は美人で優秀な忍者だ。
「じゃあお願いしよっかな。土井先生が一緒に泳いでくださるんなら緊急時にもすぐ帰還できそうですね」
「ああ、あっちに良い感じの浅瀬がある」
はさっそくカーディガンを脱いだ。
ビキニではないがその可愛らしいデザインの水着はちょっと土井に刺激が強すぎた。
あやうく鼻血を吹きそうになる。
そんなある意味崖っぷちな男の腕をつかむ。
「くん、そ、そんなに引っ張らなくとも・・・」
「え、何ですか?」
「・・・いや」
見上げてくる彼女は殺人的に可愛い。
この実習に来て良かったと初めて思った土井半助だった。
「浅瀬でも、結構深いですね・・・」
「あまり奥に行くとクラゲがいるぞー」
「ええ!?刺すんですか?」
「そういうのもいるかもな」
「ええ!?」
がばっと土井に抱きついた。
慌てたのは土井である。
「だ、大丈夫だよ、私が追い払うから」
「あ、あの魚綺麗ですねー」
「・・・・・」
怖がっていたかと思えば、あっけらかんとはしゃいでみたり。
まだまだ子供だな、と苦笑するのだった。
「私の目の届く所までならクラゲから君を守れると思うから、泳いでみるかい?」
「・・・はい」
浮かない顔で返事をしつつ土井の腕をつかんでいる。
「しょうがないな」
しょうがないと言いつつ、若干嬉しそうなのは土井半スケベと言われるゆえんである(嘘)。
あとがき
主人公は頭が弱いわけではないです。
ちょっと馬鹿っぽいところもありますが基本頭はいいほうです。
医者なんですから(逃)
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