保健医助手
今は早朝。
そしてここは忍術学園の保健室。
いつものように一番のりで保健室に来た保健委員長の善法寺伊作。
まず保健室に行き、それから教室に行くのが彼の日課だ。
「伊作くーん」
「その声はさん?どうしまし・・・」
名前を呼ばれて振り向いてみると入り口に泥だらけのがいた。
「いや、本当にどうしたんですか!?」
「あはは、寝坊して急いでたら見事にどぶにはまっちゃって」
気持ち悪いからと上着を脱ぎだす彼女を慌てて止めた。
「だ、だめですよ!」
「平気よ下に服着てるから。それに伊作君だから安心だし」
「え・・・」
静止も聞かず上着を脱ぎ捨てると服は確かに着ていた、着ていたがそれはいわゆるきゃみそーるというもので、
まるで下着だ。言うまでもなく伊作は赤くなり慌てて目をそらす。
「・・・わ、私は本当に安心ですか!?」
「え?」
がしっと肩をつかむ。
「これでもまだ、安心でいられますか!?」
「伊作くん・・・どうしたの?」
「私はまだまだ男らしい男には程遠いかもしれませんが、一応健全な青少年なんです!
・・・年齢だってあなたとそんなに変わらないんですよ」
「・・・」
「そんな姿にならないでください、私だって男なんですよ」
は泥で汚れた上着をチラッと見て近くのタオルを取った。
「あの、ごめんなさいそんなつもりじゃ」
「いえ、私のほうこそ変な事言ってすいませんでした」
赤くなりつつ、つかんでいた肩を放し頭を掻いた。
「あなたにとって私はただの教え子かもしれませんが、私は一人の女性としてあなたが好きです」
「・・・それは、本当?」
「私は嘘はつかないし、こんな場面で嘘をつく必要はありませんよ」
静かに抱き寄せる。
「い、伊作君まで汚れちゃうよ」
「かまいませんよ。あなたこそ早く着替えないと風邪を引いてしまう」
「・・・いいの?」
「はい?」
「私年上だけど、いいの?」
「2つ違うだけじゃないですか、それに年なんて関係ありませんよ」
「・・・・・ありがとう。私もね、好きだよ」
「良かったです」
ぎゅっと強く抱きしめる。
決して手馴れてるとは言えない。
場所も場所だし、いつまでもこうしてはいられない。
でもまだ新野先生は来ないゆえにもう少しこうしていようと思う。
今だけは二人だけの保健室。
あとがき
実は新野先生にはとっくに気付かれていて、入るには入れない状態です。
「青春ですねえ」と呟いてみたり。
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