いつも同じ笑顔。
いつも同じ態度。
それが崩れる日は来るのだろうか?
ハプニング
「はぁ〜虚(ホロウ)なんて現れないじゃない」
が暇を持て余して魂魄刀である紅時雨(べにしぐれ)をぶんぶんと振り回していると
隣の男が引きつった顔をする。
「くん危ないじゃないか!それにこれは副隊長命令なんだからもっと真面目に…」
このびくついてる男は鏑木 雄吾(かぶらぎ ゆうご)、
第四席でありより階級は下だが馬鹿みたいに頭がいい。
だが戦闘能力はいまいちだからいつまでも四席なのだろう。
ザコ虚退治にと流魂街に向かわされたと雄吾。
帰ったら副隊長の槍佐木に文句を言わなきゃやってられない。
ぶつぶつと言っていると虚の霊圧を感じた。
「き、来ましたね…」
霊圧探知に優れた鏑木が呟いた。
冷や汗をかいているから(体質)近いのだろう。
「下がってて。私がやるわ」
すいっと前に出る、と同時に問題の虚が現れた。
「やっぱりザコね」
ふしゅるる〜とたぶん怒っているみたいだが別に大きくはない。
が剣を一振りしただけでその虚は消え去った。
その一瞬の出来事に鏑木は呆気に取られていた。
「すご…くんはやっぱり副隊長になるべき人だよ」
「んー嫌よ面倒だし。それに槍佐木修平がすでにいるじゃない」
幼馴染なため呼び捨てだ。
いくら本人がいないとはいえ鏑木は冷や汗だらだらだった。
「あんた冷や汗すごいわよ」
「誰のせいだと思…うっ」
一瞬。
突然鏑木がうめいたと思ったら血しぶきを上げて倒れこんできた。
「な、何!?」
ばっと振り向くとどでかい虚が背後にいた。
「き、聞いてないわよこんなの!」
「…女…うまそうだ…」
それだけを低い声で呟いたと思うと飛び掛ってきた。
慌てて魂魄刀を抜いたが避けられそうもない。
目を瞑り、誰か!と心の中で叫んだ時、
予想していた衝撃の代わりに虚の悲鳴が聞こえてきた。
恐る恐る目を開くと、
「い、市丸隊長?」
目の前にいたのは、いるはずのない銀髪の男。
「こんなんに殺られたらあかんやん」
虚はすでに倒れていた。
ただ呆然とする。
「ん?ちゃーん、どした?」
笑顔で平然と手を振る男。
「ど…」
「ど?」
「どーして市丸隊長がいるんですかー!?」
がばっと立ち上がり飲みかけのリンゴジュースが地面に落ちた。
「どーしても何もボクがおらんかったらちゃんもそこの奴みたいになってたで」
ひょいと指した先には鏑木が倒れていた。
「鏑木くんしっかりーー!」
彼はうつ伏せで倒れていたが肩からざっくりと爪あとが残されていた。
流血も凄まじい。
「大丈夫。生きとるよ」
「で、でも早く卯ノ原隊長に診せなきゃ!」
「騒ぎなんなや。ボクが応急処置したる」
「え…それは助かるけどどうして市丸隊長がそこまで…」
言いかけてがしっと両頬を掴まれた。
「市丸隊長やなくてギ・ン。二人の時はそう呼び言うたやろ」
「う…二人じゃないし…鏑木くんいるし…」
頬を掴まれているためうまくしゃべれない。
ギンはあからさまにため息をついた。
「気絶しとるもんを数に入れたらあかんよ…」
「と、ともかく!なんであんたがここにいるのよ!?」
ようやく頬を掴む手から開放されて、とたんに強気になる。
「わからんか?」
ぎゅっと手を握られる。
嫌な予感がする。
「こんなときしか二人きりになれへんやん」
「な、何言ってんのよ平気で私の部屋に来るくせにっ」
「霊圧消せば誰も気付かへんし、でもすぐ邪魔はいるやん」
「当たり前でしょ、私は三席だけど副隊長の仕事もしてるから忙しいの!」
文句ならさぼりまくりの槍佐木副隊長に言って、と握る手を振り払った。
「なんや、ホンマに鈍感やね」
にんまりと笑うギン。
その余裕顔にきれる。
「槍佐木はんはボクのこと警戒してはるからちゃんの仕事増やしてんねんで」
「え?」
ふふんと笑う。
「ま、ええわ。なんにせよちゃんはボクのもんやしー」
「…誰が誰のものだって?」
「さすがに隊員室じゃ襲われへんしね」
ひょうひょうととんでもないことを言う。
「な…へんなこと言わないでよ!」
ぼっと音が聞こえそうなほど真っ赤になる。
「変なことちゃうよ。ボクそないに純情そうに見えるか?」
「断じて見えません」
「せやろ?ま、ちゃん限定で襲うんやけど」
「襲われる前に斬るし、堂々とそんなことを言わない!」
「照れとるん?可愛ええなあ」
抱きしめられる。
「ばっ離して!」
「嫌やv」
もがけばもがくほど強く抱きしめられる。
「もう…ばかギン…」
「俺の応急処置は…」
呟いたのは地面に倒れたままの鏑木だった。
明らかに忘れられていたが痛みがないのはギンがさりげなく撒いた緩和剤のおかげなのだが。
書き逃げ
浦原さんを愛してますがギンもかなり好きです。
怪しいキャラは好きです(腐)
でもギンには乱菊さんがいるからv
帰