寿司とかいいかも。
ここはいわゆる回転寿司。
回る皿を呆然と見つめる月詠。
「おまえなー見てるだけじゃ寿司も男も手に入らないよ?」
さっとウニ皿を取る銀時。
日輪に月詠同伴条件で二人分の食べ放題券をもらったのだ。
もちろん神楽たちには絶対内緒で。
「・・・自分で盗るのか?面倒じゃな」
「字が違う。盗るんじゃなく取れ。たまには積極的に行かねーと食いっぱぐれるぞ」
「銀時、わっちはエビがいい」
「来た来た。ほれエビちゃんだ・・・って俺使われてる!?自分で取れよ手ぇ伸ばしゃ届くだろ!」
「お、安い割りになかなかいけるなあこのエビ」
「・・・・・・聞いてる?・・・年頃の娘を持つお父さんの気持ちが良くわかるよ」
エビ寿司を頬張る月詠を見て、はぁ〜とため息をつく。
「・・・まぁいっか」
幸せそうな横顔に苦笑する銀時。
「おまえ、笑うと可愛いのな」
突然の発言に危うくエビを喉に詰まらせそうになる月詠。
「な、ついに沸いたか!?」
慌てて茶を飲み下す。
「俺には見せてくれよ、俺以外には見せんでいいから」
「・・・別に、ちょっと笑っただけじゃ」
「それが貴重なんだよ、おまえ基本無表情だからね」
にっと笑う。
「好きなの言え。銀さんが取ってやるよ」
お父さん的ポジションじゃないけど、と付け加えることも忘れない。
彼氏に昇格できるのはいつの日か。
完
あとがき
普通な彼らを書いてみたくて。
日輪がしくまないと始まらない二人(苦笑)
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