主従関係







幼い頃から仕えてきた。

当たり前のように守ってきた・・・だけど守られてしまった。
守るべきお方に、主に、守られてしまった。
左腕はもう無いけれどあなたがそれを気に病むことは無いのに・・・


「・・・若?」

「おお、ランファン!起きたか!」


思いっきり身を乗り出して話しかけてくるのは紛れも無くリン・ヤオだった。
王なはずなのに威厳のかけらも無い。
でも・・・強い、確かに強い。護衛役の私よりもう強いのではないだろうか。

ぼんやりと見つめているとリンが手を握ってきた。


「え?」

「・・・大丈夫、左腕が無くなろうとランファンは何も変わらない」


強く握り締められる。


「今まで守ってきてくれた、でもこれからは守りあおう。護衛を守る王がいてもいいだろう。
俺は死なないしランファンも死なない、死なせやしない。な?」


心配げに手を握りしめる。

だから今だけは主従関係の鎖を解きます。
ぎゅっと握り返すとリン様はそれ以上の力で握り返してくる。


ありがとうございますリン様・・・

何があろうとあなたを守ります。




何があろうと。











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あとがき

ものすごく短いけどしかもこのシーンめっちゃ昔のだけど萌えたんです。
たしかコミックスだと12巻あたり?
私はアニメでしか見てないから違うかもしれません。
何があろうと・・・そう、たとえホムンクルスになろうと。てゆーかグリードも好きだし。
とにかく大好きなんですリンラン。