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「ほら、開いたぞ」


彼はいとも簡単にゲートを開いた。
天才だと名乗るだけのことはある。私は感心しながら彼の方を向いた。


「はいコレ。返すね」

「ん?」


私はポンと彼の手にゴーグルを渡した。


「今度闘う時にでも、私にかけさせてよね」


にっこりと笑う。
彼は溜め息をついて私を見た。


「呑気な奴だな」


そう言って笑う顔は・・・やっぱり優しいんだよねー。


「じゃ!世界制服がんばってね」

「ご声援ありがとう。京」


・・・呼び捨て。
まーいっか。うん。いいや。


「本当にいろいろありがとね!けーんくん!」

「おい・・・」


あはは!と私は笑いながらゲートに入った。
苦笑する彼の顔を目の奥に焼き付けたままで。




出た場所はお馴染み、パソコン教室。
無事に戻れたんだ・・・良かった・・・・
ホッと安堵の溜め息をついたときだった。


「京さん!!」


聞き慣れた声にはっとして顔を上げる。


「ホークモン・・・あんたなんでポロモンじゃないの・・・?」

「ポロモンの飛行速度では、あなたを探すには不十分でしたからね・・・
そんなことより京さん、今までどこにいたんですか?」

「え?あーえーっとね・・・・」

「・・・ん?ゲートが・・・」

「あ」


画面に映し出されたゲートに私は慌てる。


「ああ!これね!今から行こうかなーなんて思ってたりしてたのよ。 でももう遅いからやめとくわ!」

「・・・・当たり前です。電源切られでもしたら大変じゃないですか」


あいたー
いやもうそれは経験済みだったりするのよねー。


「そ、そうよね!ゴメーンほんの気の迷いよ」

「・・・京さん」

「え?」


あまりにも真面目な声に、私はちょっと驚いてホークモンのほうを見る。


「その・・・今朝はすみません」

「え?あーあのこと?もういいのよ。確かにホークモンの言う通りだしね」

「ち、違うんです!あれは・・・そういう意味で言ったんじゃないんですよ・・・」


ホークモンはなにやら言いにくそうに下を向いた。


「あなたは一人じゃ何もできない・・・こう、言いましたよね」

「うん」

「これには続きがあるんですよ。つまり・・・」

「?」

「つまり・・・私も一人じゃ何もできないから、だからこれからも助け合って行きましょうと、一緒に力を合わせて頑張りましょうと・・
・こう、言うつもりだったんですけど・・・言葉の選び方を間違えてしまったようですね」



力なく苦笑するホークモン。
ああもう・・・また一人で頑張ってる。
私を傷つけたと思って悔やみながら、
同時に私を探すために今朝からずっと、ポロモンに戻らないように努力してきたんだわ。
大変な思いをして・・・
私はホークモンの方に駆け寄って、ぎゅうっと抱きしめた。


「ホークモンの・・・ばか」

「・・・はい。ばかですね・・・あなたがいないと私はダメです・・・」

「うん、うん・・・私もホークモンがいないとダメだよ、嫌だよ・・・」

「・・・はは、嬉しいですよ」


そう言ってホークモンはポロモンの姿に変わった。


「ありがとう・・・ごめんね疲れたよね」

「気に・・・しないでください」

「今日のこと全部、あとで話すから」

「・・・わかりました」


私はポロモンをぎゅっと抱きしめたまま、教室を出た。
帰り道、ポロモンは私の腕の中でぐっすりと眠っていた。


・・・ありがとう。
あなたがパートナーで・・・本当に良かったよ・・・






END

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ハイ。あとがきです。
いやー長かったっすかね?3つに分けるほどでもなかったかもしれませんが
中途半端にぶった切るよりはいっそのこと3分割してしまえ〜
ということになったのであります。

しかも今回かなり趣味に走ったと言うか、京ちゃん愛されてますね!(笑)
カイザー京編とホーク京編に分けようと思ったのですが・・・
これで許してやってください(死)

1と3はホーク京で2は完全にカイザー京ですな。
でもこのときはカイザー君は京が気になってきたかも、という感じで
惚れこんでいる感じではないですね。
でも彼女が危険にさらされたら身を呈して守りそうなヨ・カ・ンv(瞬殺)

ご朗読感謝です!!!