海水浴







夏。

絶好の海水浴日和だった。
ので浦原一行は海に来ていた、
といってもテッサイは外出嫌いなため留守番だが。

ジン太は本気のスイカ割りをウルルを巻き込んでやっている。
先導者はもちろん浦原だったがパラソルの下で優雅に寝転がっている始末。
いつもの服装だが実は半袖。


「あれ、サンも服なんですか?」


残念そうに見あげるそれが
飲み物を抱えてきた蛍への第一声。


「はいジュース!」


どんとテーブルに置く。


「泳ぐときはそりゃ水着になるし、上のシャツは脱がないけどね!」

「えー」

「ちょっと海は苦手だから浅瀬に限り泳ぐつもりだけど何か?」


拗ねたように言うと喜助がいきなり立ち上がった。


「んじゃあ行きましょ♪」


にっこりと微笑む。


「はあ?」


さぞかし気の抜けた顔だっただろう。
かまわず腕を掴まれる。


「アタシが手取り足取り教えてあげます」

「手も足もとらんでいいから口頭で教えて」

「抱きついてもいいっスよv」


聞いていない。
いつの間にか掴まれていた腕は離され代わりに手をがっしりと繋がれていた。








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