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ランファンが一人ベランダで夜風にあたっていると、背後からカラカラと戸を開ける音が聞こえてきた。
振り向くとひょうひょうと現れたのはリンで、その手には2つのカップがあった。
「へえー涼しいね、でもちょっと風が冷たいかな」
すっとカップを差し出す。
中身は甘酒という未成年が唯一飲むことを許されている酒らしい。
まあ酒といっても許されているくらいだからきっとアルコール度数が限りなく低いのだろう。
「違う国の飲み物らしいよ、温まるからランファンも飲むといい」
そばに来た男からそれを受け取る。
「・・・あ、おいしい」
「だろ?ここは冷えるからもう部屋に戻った方がいいよ」
「いえ、私はもう少しここに居ます。若こそ戻られてください」
するとリンが上着を脱ぎ始めた。
無言でランファンの肩にかける。
「い、いけません若っ」
「ん?」
慌てて脱ごうとすると手を止められた。
「女の子なんだから体を冷やしちゃいけないよ」
「でも・・・」
「俺の大事な臣下なんだから」
いきなり抱きしめられてランファンは固まった。
「大事な大事な、女の子なんだ」
甘酒に少し酔ったのか、いつもなら飛んで逃げるランファンがおとなしく腕に収まっている。
だから強く抱きしめた。柔らかいし、何より暖かい・・・
「俺は、ランファンが好きだよ」
ずっと好きだったんだよ。
「若・・・」
私もですよ。
相変わらず冷たい風が吹きすさんでいるが、今の彼らはそれを感じない。
何者も邪魔を許されない空気が2人を包んでいた。
終
あとがき
別に気ぐるみを脱いでかけたわけじゃないです。
そんなことしたらいい雰囲気が一気に台無しになりますよ(苦笑)羽織っていたんです上着を。
狼男が魔女を襲うというエロスなハロウィンはなしで。
ってゆーか妄想で抑えないといいかげん私変態になります。
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