腕はすでにオートメイル






ギシ・・・

闇の中、ベッドがきしむ音が部屋に響く。


「若・・・・」

「おとなしくして」


リンが手で制した。
ランファンは戸惑うように口をつむぐ。
上半身を起こしていたリンはいつもの糸目をうっすらと開ける。
両脇で眠っていたランファンとフーも気配に気付いてそっと上半身を起こした。

王子を片時も離れず守るのがランファンら忍びの役目。
だから女の身と言えど守り抜くために近くで寝るのは当たり前のこと。
しかし成長するにつれランファンは女に、リンは男になっていく。
それは仕方のないことで、そこにいつのまにか主従関係以上の感情が芽生えたのも仕方のないことで。

でもそれはリンとフーが認めようとランファンは決して認めようとはしない。
彼は王子・・・護衛の自分が愛し愛されていい身分ではない、と頑なに否定し続けていた。


「頑固だなぁー」

「若、何を言ってるのですか?それより侵入者です」


かまえるランファンとフーとは違い、のんきに頭を掻くリン。


「まあ侵入者だけど間抜けだよね、ご丁寧に玄関から来るなんてさ」


ガシャンガシャンと重たい鎧が動く音がする。


「ふーむ、この気配はシン国の者か?」


立ち上がるフーとほぼ同時にリンの前に飛び出し構えるランファン。


「ちょいと見てくる、二人は来るでないぞ」


そう言って扉を開けるフー。


「爺様!?」


迂闊すぎるのでは・・・と思った瞬間、凄まじい爆音と煙が部屋を襲った。


「若!危ない!!」」


すかさずリンに覆いかぶさり、強い衝撃が彼女の背中を直撃した。


「ああっ」

「ランファン!!」


気を失う彼女をリンは抱きかかえる。


「フー無事か!?」


倒れてはいたがブイサインを出す余裕があるらしい。
爆音と煙はすごかったが自分に向けられた攻撃意外はそれほどでもないようだ。

(狙いは俺か・・・)

寝込みを襲うとは暗殺の手口だ。
自分をかばったランファンは背中にもろに衝撃を受けている、置いていくわけには行かない。
フーも一人なら逃げられるはずだ。

(ここはいったん逃げるべきだ)

リンはランファンを抱きかかえたまま、窓の外に飛び出した。






   




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最初怪しい表現だけど実はぜんぜん怪しくないです、まだ(ぇ)





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