5
暗闇の中、リンに抱きしめられるようにベッドに納まっているランファン。
暖かい。
彼が背中に触れないようにと配慮していることがよくわかる。
「ランファン・・・俺はもう能無しじゃない。
だから身をていしてかばうようなことはしないでくれ」
「能無しだなどと・・・わたしは確かにあなたを守るためにお側に仕えている臣下です。
あなたの命は民全ての命ほど尊いもの、かばうことは当たり前なのです」
「しかし」
「私の使命があなたをどんなことからもお守りすることで、それは私の意思でもあるのです」
「・・・」
「私は護衛です。これからもずっとあなたを守り続けます」
固い意志が光る目で見つめられればもう何も言い返せない。
リンはため息まじりに小さく笑った。
「強情だなあ」
ぎゅっと抱きしめる。
「命を捨てるようなことはさせないよ」
優しく囁き、髪を撫でる。
いつか何かを捨てるときが来ても、
君だけは決して、離さないから。
――
決して。
完
あとがき
18禁を見た人も見なかった人もコンニチハ。
ていうか見る必要ありませんから、二人が同じベッドで寝ていることからしてすでに禁です。
削除したのはあまりに自分が恥ずかしかったからです(死亡)
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