(露天風呂騒動)







「ツッキー一緒に入るネ!・・・野獣ども、覗いたら裸で首に鎖つけてワンて言いながら町内一周アル」

「どんなプレイだよ」


銀時は呆れてボリボリと頭を掻き眠そうに神楽を見やる。


「てめーみてーなクソガキのまな板見てもなんも面白くねーよ」

「ちっちっち、こっちにはツッキーという爆弾がいるネ」

「神楽ちゃん・・・それって自分がまな板だと認めることに」


ふんぞり返る神楽に新八がつっこむ。
そこでぎゃあぎゃあと言い争い(体力勝負?)が勃発したのは言うまでもない。
呆れ果てる月詠の肩に銀時がそっと手を置く。


「先に行ってようぜ」

「・・・うむ」




して、風呂場に着いた。
正確には脱衣所の「男湯」「女湯」と書かれたのれんの前に着いた。
どうやらここは露天風呂が有名とは言っても混浴ではないらしい。
ちょっとがっかりする銀時だった。


「ここでお別れじゃな」

「あれ、私何もわからなーいっつって男湯に入ってくるというベタで素敵なハプニングを期待してたんだが」

「残念じゃったな、あいにく吉原にも露天風呂くらいありんす」


ふっと微笑み女湯に消えていく月詠。


「・・・んな笑顔見せられたら、連れてきたかいありありじゃねーか」


照れたように頭を掻き、男湯ののれんをくぐるのだった。
実は外の露天風呂は混浴なのだが彼らは知らない


月詠が体を洗ってさっぱりしたところでガラリと湯船へ続く戸を開ける。
湯気が立ち込め、外だというのに視界は真っ白だった。

神楽はかまわずドボーンと飛び込み、一人楽しそうだ。
月詠は一応タオルを巻きなおして静かに湯につかる。
奥に人影が揺らめいたが声は掛けない、が神楽を呼び戻し落ち着かせねばきっと迷惑となるだろう。


「おーい神楽、戻って来ーい」

「え、月詠さん?」


聞きなれた声が奥の人影から聞こえてきた。
それはあきらかに女声ではない。


「し、新八!?」

「ここは女湯アル、なに堂々といるアルか!」


ざぶざぶと戻ってきた神楽も応戦する。


「え、待って僕メガネしてないから良く見えない・・・っつーか何コレ混浴!?」


あたふたする新八。
確かに良く見えていないのだろう岩に向かって謝っている。
というか新八がいるということは・・・


「なーに騒いでんだ新八ぃーやっぱメガネいるん・・・」


ガラリと男湯の戸が開かれて、素っ裸の銀時が気だるげに登場した。
タオルを手に持ちばっちり素っ裸で